占い
丙午の1966年、生まれた子どもは前の年より4分の1減りました
2026年は、干支でいうと「丙午(ひのえうま)」の年です。干支は60年でひとめぐりするので、前回の丙午は1966年でした。
その1966年に日本で生まれた子どもは、136万974人でした。前の年より46万2,723人少なく、率にすると約25%、およそ4分の1にあたります。
戦争や大きな災害があった年ではありません。減った理由として挙げられているのは、丙午にまつわる古い言い伝えでした。

丙午は、「火」が2つ重なる干支です
干支は、十干と十二支を組み合わせた60通りの呼び名です。組み合わせが120通りではなく60通りになるしくみは、「干支の組み合わせは六十しかありません」で取り上げました。
丙午という組み合わせを、ひと文字ずつ見てみます。
- 丙(ひのえ)……十干の3番目。木・火・土・金・水の五行では、火の兄にあたります
- 午(うま)……十二支の7番目。五行に当てはめると、こちらも火です
火の性質をもつ文字が、2つ重なった組み合わせです。2026年から60年ずつさかのぼると、1966年、1906年、1846年が丙午にあたります。次にめぐってくるのは、60年後の2086年です。
1966年だけ、生まれた子どもが大きく減りました
1966年と、その前後の年をくらべてみます。
| 年 | 出生数(人) | 合計特殊 出生率 |
|---|---|---|
| 1965年 | 182万3,697 | 2.14 |
| 1966年 (丙午) | 136万974 | 1.58 |
| 1967年 | 193万5,647 | 2.23 |
合計特殊出生率は、1人の女性が一生のあいだに産む子どもの数を、その年の状況から見積もった値です。1966年だけが1.58と、前後の年より0.5以上低くなっています。
翌1967年には、出生数が一転して57万4,673人増えました。子どもをもつ時期を、丙午の1年だけ前や後ろにずらした家庭が多かったと考えられています。
計量社会学の分析では、1966年に生まれた子どもは、本来見こまれる数より約41万4,000人少なかったと見積もられています。反対に、前の年は約8万7,000人、次の年は約12万3,000人、見こみより多く生まれていました。前後の2年で、あわせて約21万人ぶんを取りもどした計算です。

言い伝えは、江戸時代に広まりました
丙午をよくない年とする考えは、中国にさかのぼります。北宋の時代の終わりごろから、丙午の年は火事が多いとして、凶の年とみる説が広まったといわれます。
日本では江戸時代に、「丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という俗説が生まれました。人形浄瑠璃や草子で人気を集めた八百屋お七の物語で、お七が丙午の生まれとされたことも、話を広める一因になったといわれます。
どちらも、裏づけのない言い伝えです。それでも、江戸時代に広まった話が300年近くたった1966年に、数十万人という規模で出生数を動かしました。
「1.57ショック」の基準は、丙午の年でした
1966年の1.58は、戦後しばらくのあいだ、合計特殊出生率のいちばん低い記録でした。1947年から1988年までのあいだに、1.58以下になった年は1966年しかありません。
| 年 | 合計特殊出生率 |
|---|---|
| 1966年(丙午) | 1.58 |
| 1988年 | 1.66 |
| 1989年 | 1.57 |
| 2022年 | 1.26 |
1990年、前の年の値が1.57で、丙午の年の記録を下回ったことがわかりました。これが「1.57ショック」と呼ばれ、少子化が社会の課題として広く知られるきっかけになりました。
言い伝えのせいで1年だけ落ちこんだ数字が、23年後には、少子化の深まりを測る目安になっていたわけです。
干支は、生まれた人の運命を決めるものではありません
2026年の出生数が統計としてまとまるのは、2027年になってからです。今回の丙午がどう表れるかは、そのときにわかります。
干支は、もともと年や日を数えるための呼び名です。モイの干支占いも、生まれ年の十二支から性格の傾向を楽しむもので、人の運命や結婚の相性を決めるものではありません。
干支を年・月・日・時刻の4つに当てはめて読む占いもあります。気になる方は、四柱推命 無料命式や、1年の流れを見る今年の運勢占いもあわせてどうぞ。
出生数と合計特殊出生率は、国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(もとの数値は厚生労働省「人口動態統計」)によります。丙午にまつわる言い伝えに根拠はありません。干支占いはエンターテインメントで、結果に科学的な根拠はありません。
参考資料
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2024」表4-1 性別出生数および出生性比
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2024」表4-3 女性の人口再生産に関する主要指標
- 岩澤美帆「1.57ショックから35年 子どもをめぐる環境の変化」(内閣官房 人口減少対策に関する意見聴取プロジェクトチーム、2026年3月25日)
- nippon.com「日本でだけ起こった1966年の特異な出生減を読み解く」