性格診断
全部同じ答えでは真ん中にしか着きません
心理テストで、質問がずらりと並んでいると、だんだん考えるのが面倒になってくることがあります。「まんなか」ばかり押していく、というのはよくある光景です。
では実際、全部同じ答えを並べたら点数はどうなるのでしょうか。計算してみると、思っていたよりせまい範囲にしか着きませんでした。

20問は、二つの役割に分かれています
設問は全部で20問。1問につき0から4の5段階で答えます。この20問は、じつは二つのグループに分かれています。
- 今どれだけストレスを感じているか — 12問(最大48点)
- そのストレスにうまく対応できている感覚 — 8問(最大32点)
ここで大事なのは、二つ目のグループの点の向きが逆だということです。うまく対応できているほど、最終的なストレスの点は下がります。
計算はこうなっています。感じているほうの点をそのまま足し、対応できているほうは満点の32から引き算して足す。合わせて80点満点です。
対応できている感覚が満点なら、そのぶんはまるごと0点。まったくないと答えると、それだけで32点が乗ります。
全部同じ答えだと、32点から48点にしか行きません
では、全部同じ答えを選んだ場合を計算してみます。5通りしかないので、ぜんぶ書き出せます。
| 選んだ答え | 感じている側 | 対応できている側 | 合計 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| すべて0 | 0 | 32 − 0 = 32 | 32 | ふつう |
| すべて1 | 12 | 32 − 8 = 24 | 36 | ふつう |
| すべて2 | 24 | 32 − 16 = 16 | 40 | ふつう |
| すべて3 | 36 | 32 − 24 = 8 | 44 | ふつう |
| すべて4 | 48 | 32 − 32 = 0 | 48 | 高め |
80点満点のうち、着地するのは32点から48点まで。幅にして16点ぶんしかありません。
判定でいえば「ふつう」と「高め」の二つだけです。「とても低い」にも「低め」にも「とても高い」にも、全部同じ答えではたどりつけません。
とくにおもしろいのは、いちばん下の0を並べた場合です。「まったく当てはまらない」を20回選んだのに、点数は0ではなく32点になりました。
感じているストレスは0でも、「うまく対応できている感覚も、まったくない」と答えたことになるからです。この二つは反対を向いているので、そろえて答えると打ち消し合ってしまいます。
もうひとつ、表を見ると気づくことがあります。まんなかの2を並べたときが40点。これは80点満点のちょうど半分です。
そして下の端を並べても32点、上の端を並べても48点。どちらもまんなかから8点ずつしか離れていません。満点の10パーセントぶんです。
どんなに極端な答えをそろえても、まんなかから1割ほどしか動かない、ということです。
では、両端にたどりつくにはどうすればいいのでしょうか。答えは単純で、二つのグループに反対向きに答えることです。
- 0点 — 感じている12問すべてに0、対応できている8問すべてに4
- 80点 — その正反対
つまりこの点数は、二つのグループの差を見ている、と言ってもいい形になっています。同じ方向にそろえたぶんは、たがいに消えてしまうからです。

診断のほうも、それを見ています
実はこの診断、全部同じ答えが並んだことをちゃんと見分けています。20問すべてが同じ数字だったかどうかを、結果を出すときに確かめているのです。
見分けたうえで点数を捨てるわけではありません。ただ、その結果が今の状態をきちんと写していない可能性がある、というしるしを内側に持っています。
裏を返せば、両端の判定が出るのは、二つのグループに別々の答えをした人だけということです。「とても高い」が出たなら、感じているストレスが高く、かつ対応できている感覚が低い、と答えている。そのぶん、その数字には意味があります。
こうした「まっすぐ回答」は、質問紙を使う調べものでは昔から知られた注意点です。答える側に悪気はなくても、疲れていたり急いでいたりすると起きます。だから多くの調査票が、それを見分けるしくみを内側に持っています。
面倒でも一問ずつ考えて答える理由が、ここにあります。そろえて答えた瞬間に、この診断はまんなかしか返せなくなるからです。
点数は、今日の天気のようなものです
最後に、点数の受け取りかたについて。
この点数は、あなたの性格でも能力でもありません。測っているのは、この数週間をどう感じたかという今の状態だけです。よく眠れた週と、そうでない週では、同じ人でも違う数字が出ます。
ですから高めに出たとしても、それは「あなたが弱い」という意味ではありません。今そういう負荷がかかっている、という表示です。まずは睡眠と休息を確保することが、いちばん確かな下げかたになります。
感じかたのクセそのものを知りたい方には、刺激の受け取りかたを見るHSP診断や、4つの軸で見る16タイプ性格診断のほうが向いています。こちらは日によって変わりにくい、もう少し土台に近い部分を見ています。
このセルフチェックは自己理解のためのもので、医学的な検査ではありません。職場で行われるストレスチェック制度とも別のものです。つらさが続くとき、眠れない日が重なるときは、ひとりで抱えこまずに専門の窓口や医療機関にご相談ください。結果ページには相談先のご案内もあります。